2022年9月28日水曜日

Anker 521 Portable Power Station (PowerHouse 256Wh) ポータブル電源を無停電電源装置として活用する事例を考える。

 先日、amazonのセールで購入したAnker 521 Portable Power Stationですが、充電して災害時まで使わずにしまっておくのはもったいないですよね。

Anker 521 Portable Power Station (PowerHouse 256Wh) はデスクトップPCのUPS(無停電電源装置)として使えるのかどうか?

 Ankerのポータブル電源 Anker 521 Portable Power Station (PowerHouse 256Wh)  にはパススルー機能というものがあります。

これは家庭用コンセントから給電中のポータブル電源の出力ポートに 機器を接続すると、内部バッテリーを経由せずに 給電から直接電力を接続機器に流すことができるという機能でして、内部バッテリーの充放電回数を抑える事でバッテリーの寿命を伸ばすためのものです。

出力ポートに機器がつながった状態で、コンセントからの電力供給を切断すると、内部バッテリーから接続機器に電力を供給します。

この機能を使う事で、パソコンをポータブル電源に接続しておいて、停電時の電源喪失を防ぐという「無停電電源装置」に使えるのではと思い実験してみました。

電力の流れを順を追って示すと以下のようになります。
交流と直流の変換を2回もやっているので無駄な電力損失が発生してそうですね。

  1. コンセント(AC出力) 
  2. アダプター(DC出力)
  3. Anker 521(AC出力)
  4. アダプター(DC出力)
  5. デスクトップPC DeskMini X300
実験結果
まず、ポータブル電源に最小限の構成である以下の2点を接続します。
  • デスクトップパソコンのACアダプター
  • ディスプレイの電源コンセント
この状態でパソコンのスイッチを入れると問題なく起動しました。
次にコンセントを引き抜いて停電の状態を作ります。
無停電電源装置とは違って停電時に『管理者に停電を伝えるアラーム』が鳴りませんが
コンセントが抜けても問題なく電力供給を続けています。

そのままの状態でディスプレイをオフにして一晩置いておいたところ電源が落ちていました。
内蔵バッテリーを使い切ったのでは無く、パソコンの消費電力が少なすぎたので、パワーセーブモードによってパソコンへの電力が遮断されてしまったみたいです。
(パワーセーブモードをオフにすれば自動的に電力が遮断される事はなくなります。)

結論
 Anker 521 Portable Power Station 無停電電源装置の代わりになる。
ただし、消費電力の少ないPCでしか実験はしていない。

今回の実験では検証できなかった事柄
ポータブル電源に付属しているAC→DCアダプターが電力供給のボトルネックであるため、消費電力が多い機材がポータブル電源に繋がっていると、家庭用コンセントからの電力供給が追いつかず内部バッテリーの電力を消費してしまうかもしれません。
この場合はパソコンを使うたびに充電と放電を繰り返す事になるので、充放電回数に応じて内部バッテリーが劣化していきます。

その他、実験してみたい事。
デスクトップPCの中には USB PD による電力供給でも動作するものもあります。
この場合、USB PD出力ポートを持つポータブル電源はACアダプターを兼ねる事ができますので、無駄な電力消費を減らしてシンプルな配線にすることが可能です。